布団で寝るかベッドで寝るか

寝るときに、ベッドを使うか、布団を使うか、というのは、単なる好みの問題です。どちらも似たような物で、特にイメージとしての違い以外に大差はなさそうにも思えますが、そこに寝る人の身体の使い方はかなり違ってきます。布団で寝起きするメリットは、簡単にたたむことができて、手狭な部屋でもスペースを有効に活用できることですが、実はこれで寝起きするには、ある程度の身体能力が必要であると思います。例えば、寝そべった状態から起立した状態に起き上がれない人は、布団で寝ることはできません。膝や腰の関節が思うように機能していない人が、寝そべった状態から起き上がるのは大変困難だからです。寝るときも同じように、ベッドに寝そべるほうが、床の高さまで身体を下ろして寝そべるよりも簡単です。大半の人にとっては、何でもないようなことのようですが、お年寄りや関節が悪い人にとっては、大きな違いです。


しかし、逆に言えば、多少の違いではあれ、布団で寝起きしたほうがベッドで寝起きするよりも、関節をストレッチしたり、体重を大きく移動させる必要があるため、より良い運動になる、という面があります。単純化して考えれば、体重を移動させる距離が2倍になれば、消費カロリーも2倍になり、より良い運動になる、ということができます。実際には、床付近から体重を起立姿勢まで持ち上げるときのほうが、ベッドの高さから体重を同じ位置まで持ち上げるときよりも、かなり運動強度が高いはずです。身体の重心は腰の辺りにあり、身体の中心付近にあります。膝を完全に曲げ、床付近まで腰を落とす運動のほうが、膝を軽く曲げる運動よりも、重心と膝関節の距離がかなり長いので、実際の負荷はかなり大きいのです。シーソーの真ん中を膝と考え、自分の乗っている位置を重心と考えるとわかりやすくなります。シーソーの中心近くに座ったほうが、自分の体重の影響は小さくなります。それだけシーソーにとっては負荷が小さくなっているということです。負荷の小さな運動は楽な運動で、それほどカロリーを消費しません。こうしたことを考慮すると、布団で寝起きする生活のほうが、布団をたたんで、押入れの中にしまわなくても、ベッドで寝起きする生活よりも、運動量が多く、消費カロリーが多い、ということが言えそうです。


ベッドも布団も一長一短ですが、身体が健康なうちは、布団で寝起きして、少しでも身体を使うようにしたほうが健康に良いのかもしれません。

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